■名古屋の旧車専門店のデモカー的なクルマ、240ZGがライジングに入ってきました。フルレストア後、エンジンをRB26にスワップし、制御にはMoTecを使用。取り付け&セッティングを四国の某チューニングショップに依頼したが、まともに走らないということでした(この店の広告には、「MoTecが大得意で他のショップにも教えてあげるよ」ぐらいのことが書いてある。工賃はメチャクチャ安いが……)。聞いてみると、3000回転以上上がらない、ナンダカンダやってもダメ。で、結局投げだしちゃったらしい(店が投げ出すってことがあるの?)。

 しかたなく、他のショップを探すことになったが、どこも嫌がりますわな、フツー。このクルマのオーナーと別件で知り合って相談されてきたんだけど、話を聞いたときはちょっと怒りがこみ上げたっス。とりあえず見積もりをってことで入庫。現車を見ると、キレイな240ZGなんですよ。エンジンもまあ普通に載ってるし、A/Cも付いてる。でも、配線はゴチャゴチャしてるかな〜ぐらいが第一印象でした。

 で、乗ってみると本当に走らない。3000回転くらいのブースとの立ち上がるあたりからカットが入るような感じ。よく名古屋から自走でいらっしゃいましたと変なところで感心しつつ、もうちょっとよく見ようと、パソコンをつないでデータを見ると、点火なんかほとんど固定なんですよ。設定もちょっとおかしい。MoTecやメインハーネスにはエレクトラタップ全開、リレーは使ってない。ビニテで巻いてあるところを剥がすと、よじってあるだけだったり……シロート以下ですな。怒り倍増。「付いてる余計な電子パーツを1度外して、MoTecの配線引き直すくらいの覚悟でかからないと……」とオーナーに話しました(工賃的には決して安くないですから)。

 ま、そんなことで、“できもしねぇ〜のに受けんじゃね〜よ。ぜってぇ〜、バリッとさせてやる!”と気合を入れて作業開始。プラグ、パワトラ、コイル付け替えたら簡単に直っちゃったりして……なんて期待してやり始めたんだけど、そんな世のなか甘くない。それこそ配線1本1本、ハンダ、収縮チューブで繋ぎ直し、疑わしい部分はすべてチェックして完璧にしていかないといけません。基本的に旧車にフルコンって、電圧のドロップ、アース不良、ノイズには気を使ってやらないといけないんだけど、人がやった仕事(しかも、メチャクチャな!)を1つ1つ見直すんだからそりゃ大変!「初めからウチに持ってくりゃよかったのに」って何度も心のなかで叫びながら、約3週間ねちねちとやっておりました。夢にも出てきたっつーの。

 原因は1つではなく、2つ3つのことが重なり合っていて、それを解決しながらちょっとずつよくなっていったって感じですね。結局、ほとんど全部やり直しになりました。でも、おかげで1発でかかってアイドリングして、A/C付ければアイドルアップして上まできっちり回るようになりましたよ。バアさんが乗っても大丈夫なくらい。仕上げの詰めも自分で納得いくまで時間をかけてやりました。納車したらお客さんも満足してくれたようで、めでたしめでたし! 

 なんですが、この話には後日談があるんです。この一件のすぐ後、ABRの細木さんから電話がありました。「MoTec制御のケンメリで、どっかの店でやったらまともに走らないまま納車されて、それからどこに出しても直らないからってウチに来たんだけど、見たら配線メチャクチャで……」「それってまさか四国の〇〇ってショップじゃないっスか?」って聞いたら、「そういやそんなこと言ってたな」。またまた細木さんと怒りまくりました。「なんでこんな店がやっていけるんだ!!」”って。細木さんには、「たぶん、おもいっきりハマりますよ」って言っておきました。